頂き物

 

うだるような昼下がり、ピンポンが鳴る。

ご近所の工事に伴う職人さんが、菓子折を持って現れた。

ご迷惑おかけします、ってわけだ。恐縮。以前から、お話は伺ってたが。

五分後、また、ピンポン。

別のお隣さんが、大きな葡萄の塊を持って現る。ご親戚からのお裾分けとのこと。有難く頂く。熱いですねぇ、とお天気の会話で。「ありがとうございます。」

わあ、サザエさんの世界か。

母の世界。私が子どもの頃のようだ、と思いつつ、そうだ、と、ビールの買い置き、を引き出しに見つける。ギフトっぽい包装で、ネットスーパーで買った時、「これ、お使い物になるな」と直感してた、サッポロ黒ビール。

慌てて、それ持って、外へ。まだ、となりの奥様は庭にいらして、間に合った。「これ、冷やして飲んでね」

一連のやり取りの後、家に入る。

きのう、母にお供えしたからか、戻りが大きいなあ。

おかあさん。